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乗馬4級ライセンスとは?試験内容・費用・期間を図解で解説

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5級ライセンスを取って、次に見えてくるのが4級です。「駈歩(かけあし)ができるようになる級」と言われますが、実際のところ何を審査されて、いくらかかって、どのくらいの期間が必要なのでしょうか。

この記事では、認定団体である公益社団法人 全国乗馬倶楽部振興協会(通称・全乗振)の公式情報をもとに、4級の審査項目・費用・取得期間・つまずきやすいポイントを、図と表でまとめました。5級・3級との違いもひと目で分かるようにしています。

この記事でわかること

  1. 乗馬4級ライセンスの正体(誰が出している、何の証明か)
  2. 実技・学科それぞれの審査項目(公式の審査内容)
  3. 5級・3級との具体的な違い
  4. 費用と期間のリアルな目安(短期コース/通常レッスン)
  5. 不合格になりやすい3つのポイントと対策

乗馬4級ライセンスとは?「駈歩ができる」を全国共通で証明する資格

乗馬の4級ライセンスは、正式には「乗馬技能認定 4級」といいます。公益社団法人 全国乗馬倶楽部振興協会(全乗振)が全国統一の基準で審査・認定している資格で、合格すると各級の認定カードが発行されます。協会は技能認定の目的を「乗馬を楽しんでいる方に、ご自身の技術レベル(日本全国統一)を認識していただくことと、そのレベルに合った目標を設定するためのお手伝い」と説明しています。

審査を受けられるのは、協会の登録クラブ、または普及乗馬大会(大きな競技会で複数の登録クラブが合同開催することもあります)です。

ざっくり言えば、「常歩(なみあし)・速歩(はやあし)で馬をコントロールでき、駈歩(かけあし)の発進と維持ができる人」という証明です。初心者を卒業して、乗馬が「体験」から「趣味」に変わるあたりの級と考えるとイメージしやすいと思います。

ライセンスの全体像|4級は下から2番目

全乗振の技能認定は5級から始まり、3級から先は種目別に枝分かれしていきます。4級の現在地はここです。

5級乗馬の入口。常歩と軽速歩(けいはやあし)ができる

▼

4級いまここ。駈歩の発進・維持、回転運動ができる

▼

3級駈歩の歩度の伸縮・手前変換、地上横木の通過ができる

▼

2級・1級障害・馬場・エンデュランスの種目別に分かれる

▼

その先障害1級・馬場1級から日本馬術連盟B級への移行制度あり

図1:技能認定のステップ。このほかウエスタン5級〜1級、子ども向けのポニーライダー技能認定もあります

補足:日本馬術連盟の「騎乗者資格」とは別物です

よく混同されますが、競技会に出るために必要なのは日本馬術連盟(日馬連)の騎乗者資格で、こちらはB級以上が公認競技会の出場条件になります。全乗振の技能認定は「乗馬を楽しむ人が自分の技術を確認するための資格」、日馬連の騎乗者資格は「競技に出るための資格」と整理すると分かりやすいです。目的が違うので、どちらが上ということではありません。

4級で何ができるようになる?5級・3級との違いを比較

級ごとの違いは、公式の審査内容を並べるといちばんはっきりします。

比較項目

5級

4級

3級

審査の形式

部班(ぶはん)運動

部班運動

各個(1人ずつ)

常歩

正しい姿勢で停止・常歩

巻き乗り・半巻きを含む回転運動

4級の内容を含む

速歩

誘導馬について小区画で軽速歩

90度の方向変換、斜め手前変換、手前の理解

4級の内容を含む

駈歩

なし

発進・維持ができる

歩度の伸縮に加え、常歩・速歩を入れての手前変換

横木

なし

なし

地上横木の通過あり

学科

馬の品種・毛色・取り扱いなど

馬体の名称、三種の歩様、手入れ道具、部班運動

蹄の名称、馬場運動の図形、鞍の部位、基本馬術

ひとことで

馬に乗れる

馬を動かせる

馬を思い通りに動かせる

表1:出典=全国乗馬倶楽部振興協会「技能認定審査」の公表内容をもとに作成

5級と4級の決定的な違いは、駈歩が入るかどうかと、誘導馬について行くだけでなく自分で図形を描けるかの2点です。5級が「馬に乗せてもらう」段階だとすれば、4級は「自分の意思で馬を動かす」段階と言えます。

4級を持っていると実際に役立つ場面

  • 外乗(がいじょう=野外騎乗)の申し込み:コースによっては駈歩が出るため、4級以上を条件にしているところがあります
  • 初めてのクラブでのレベル説明:「4級です」と伝えるだけで、何がどこまでできるかが正確に伝わります
  • 旅先での乗馬:認定カードを見せれば、初回のレベルチェックがスムーズになります

4級の試験内容|実技と学科の審査項目をすべて公開

実技審査(部班運動で審査)

4級の実技は、5級と同じく部班運動――複数人が縦列になって、インストラクターの号令に合わせて動く形式――で行われます。1人ずつ演技するわけではないので、前後の馬との間隔を保つことも評価の一部になります。

歩様

審査される内容

チェックされているポイント

常歩

巻き乗り・半巻きを含む回転運動

図形が丸く描けているか、内側に切れ込まないか

速歩

90度の方向変換および斜め手前変換

指示された地点で正確に曲がれるか

移行

停止→常歩→速歩→常歩→停止

号令からの反応が遅れないか、おおむねスムーズか

軽速歩

手前(てまえ)の理解

正しい手前で立てているか、間違いに気づけるか

姿勢・扶助

速歩での正しい姿勢、手綱と脚の操作

バランスが崩れていないか、手綱に頼っていないか

駈歩

発進および維持

合図で出せるか、途中で速歩に落ちないか

失権

落馬した時点で失権(不合格)になります

表2:出典=全国乗馬倶楽部振興協会「技能認定審査」ブリティッシュ4級の審査内容

図解|4級で描く3つの図形

文字だけだとイメージしづらいので、馬場(20m×40m)を上から見た図にしました。

中央線 長蹄跡(ちょうていせき) 10m 巻き乗り=直径10mの円を1周
図2:巻き乗り(まきのり)。蹄跡を離れて円を1周し、同じ場所に戻ってきます

1. 半円を描く 2. 斜めに戻る 3. 逆方向へ
図3:半巻き(はんまき)。半円を描いてから斜めに蹄跡へ戻ると、進行方向が反対になります

ここで手前を変える スタート ゴール
図4:斜め手前変換。馬場を斜めに横切りながら、中央で軽速歩の「手前」を切り替えます

学科審査(筆記)

学科は、馬そのものの知識と、日々のレッスンで使う用語が中心です。難問というより「毎回のレッスンで聞いている言葉を、正確に覚えているか」を問われます。

出題範囲

具体的に覚えること

部班運動

部班の隊列・間隔の取り方、号令の意味、追い越しのルール

馬体の名称

き甲(きこう)、飛節(ひせつ)、球節(きゅうせつ)、繋(つなぎ)など各部の呼び名

三種の歩様

常歩・速歩・駈歩それぞれの足の運び方(常歩は4拍子、速歩は2拍子、駈歩は3拍子)

手入れ道具

裏掘り(うらほり)、ダンディブラシ、ボディブラシ、毛づや布などの名称と用途

表3:出典=全国乗馬倶楽部振興協会「技能認定審査」ブリティッシュ4級の筆記試験範囲

学科の勉強は「手入れの時間」がいちばん効率的

馬体の名称と手入れ道具は、テキストを眺めるより、実際に手入れをしながら「ここがき甲」「これが裏掘り」と口に出して確認するほうが定着します。歩様の拍子も、レッスン中に自分で「1・2、1・2」と数えてみると体で覚えられます。

取得方法は2ルート|短期コースと通常レッスン

4級の取り方は大きく2つです。どちらが良いかは、通える頻度と予算で決まります。

比較項目

短期集中コース

通常レッスンで取得

期間

8日間〜12日間程度

数か月〜1年(通う頻度による)

費用の目安

15万〜20万円ほど(一括)

1鞍あたりの騎乗料の積み上げ+受験料

含まれるもの

受講料・教材費・用具レンタル・認定試験料・申請手数料などをセットにしていることが多い

騎乗料のみ。受験料・申請料は別途

向いている人

まとまった休みが取れる人、短期で形にしたい人

近くにクラブがあり、週1回など継続して通える人

注意点

受講条件(20鞍程度の経験、小学4年生以上など)を設けているクラブがある

「試験のための練習」を別途頼む必要がある場合も

表4:料金・日数はクラブによって大きく異なります。必ず各クラブの最新の案内をご確認ください

費用の内訳(実例と目安)

気になるのはやはり総額だと思うので、内訳が公開されている短期コースの例を挙げます。

費目

金額の例

備考

受講料

132,500円

8日間・16鞍分のレッスン料

用具レンタル・教材費

12,000円

8日分。ヘルメット・ブーツなどのレンタル込み

認定試験料+申請手数料

15,400円

審査料は全国一律11,000円(税込)。差額は申請手数料

諸経費

20,000円

8日間分(クラブにより名目が異なります)

合計

159,900円(税込)

関東のあるクラブの8日間コースの例

表5:オリンピッククラブ「4級ライセンス取得コース」の公表料金(2026年8月時点)。他クラブでは8日間171,100円という例もあり、相場はおおむね15万〜20万円です

費用で誤解しやすいポイント

ネット上には「4級の受験費用は約21,200円」といった記載も見られますが、全乗振の公式サイトには「審査料は各級とも11,000円(税込)ですが、借馬及び施設利用等にかかる費用等は、乗馬クラブや地域によって異なります」と明記されています。つまり協会に払う審査料は全国一律11,000円で、それ以外はクラブごとの料金です。差額はクラブごとの申請手数料や事務手数料にあたるもので、金額はクラブによって変わります(5,000円程度のところも、10,000円を超えるところもあります)。「審査料+クラブの手数料」という二階建てだと理解しておくと、見積もりを読み間違えません。

なお、クラブに入会して取得する場合は、入会金・月会費・保険料が別にかかります。総額を比べるときは必ずここまで含めて計算してください。

必要な鞍数と期間の目安

「何回乗れば4級に届くか」は個人差が大きいところですが、一般には40〜100鞍が目安と言われています。幅が広いのは、駈歩の習得スピードに差が出やすいためです。

ちなみに全乗振も公式サイトで「騎乗回数についてもクラブや指導者によって変わります」と述べており、協会として何鞍と定めているわけではありません。ネットの数字はあくまで参考にとどめ、最終的には自分のインストラクターの判断に従うのが確実です。

通う頻度

50鞍に到達する期間の目安

コメント

週2回

約6か月

感覚を忘れにくく、上達が最も早いペース

週1回

約1年

いちばん多いパターン。無理なく続けやすい

月2回

約2年

前回の感覚を取り戻す時間が毎回必要になりがち

短期集中

8〜12日間(16鞍前後)

毎日乗るため定着が早い。コース設計が4級合格に最適化されている

表6:1回のレッスン=1鞍として計算した単純目安です

取得までの流れ

  1. 受験できるクラブか確認する
    審査は全乗振に加盟している乗馬クラブで受けられます。各地区の乗馬倶楽部振興協会が主催する「普及乗馬大会」(各地区で年1回開催)でも実施されています。
  2. インストラクターに受験の意思を伝える
    申し込みは所属クラブ経由が基本です。「4級を受けたい」と伝えると、審査日程と、それまでに詰めるべき課題を提示してもらえます。
  3. 受験までの条件を確認する
    「一定期間のコースを修了してから受験できる」「クラブに入会してから受験できる」など、受験までの進め方はクラブによって異なります。協会も公式に「クラブによって違いがあります」と案内しているので、早めに確認しておきましょう。
  4. 試験対策のレッスンを受ける
    特に駈歩の発進と部班運動は、審査を意識した練習が効きます。
  5. 審査当日(実技+学科)
    実技は部班で数名ずつ、学科は筆記で行われるのが一般的です。
  6. 合格・認定カードの発行
    合格者には各級の認定カードが発行されます。

認定カードをなくしてしまったら

協会のサイトから「カード再発行 申込書」をダウンロードして申請できます。5級・4級の再発行では、証明写真くらいの大きさの写真を郵送する必要があります。クラブ用と個人用の様式が分かれているので、間違えないように注意してください。

4級で落ちる人の共通点|つまずきやすい3つのポイント

4級は「インストラクターの指導どおりにレッスンを重ねていれば自然に身につく」と言われる難易度で、極端に難しい級ではありません。ただし、落ちるとしたら理由はだいたい次の3つに集約されます。

1. 駈歩の発進が出ない・すぐ落ちる

4級最大の関門です。駈歩を出そうとして上体が前に突っ込むと、かえって馬は加速できません。座骨で座り続け、外側の脚を後ろに引いて合図するという基本を、審査の緊張下でも再現できるかが分かれ目になります。

また「発進」だけでなく「維持」も審査項目です。数完歩で速歩に落ちてしまうケースがよくあるので、練習では長蹄跡(馬場の長い辺)1本分を駈歩のまま走り切れるかを目安にしてみてください。

2. 軽速歩の手前を間違える

軽速歩の「手前」は、外側の前肢が前に出たときに腰を上げるのが正解です。間違えたまま気づかないと減点対象になります。

手前のセルフチェック法

  • 馬の外側の肩(前肢の付け根)を横目で見て、肩が前に出た瞬間に立つ
  • 手前が合っているか分からなくなったら、一度座って1拍分待ち、立ち直すと切り替わります
  • 方向を変えたら手前も変える、が原則。斜め手前変換はこれを審査しています

3. 部班運動で前の馬との間隔が保てない

4級の実技は部班(縦列)で審査されます。前の馬に詰まる、離されるといった状態は、「馬を自分でコントロールできていない」という評価に直結します。自分の馬だけを見るのではなく、前後の馬との距離を常に一定に保つ意識を持ちましょう。

忘れてはいけない失権条件

落馬した時点で失権(不合格)です。どれだけ上手に運動できていても、落ちてしまえばその日の審査は終わります。無理に速く動かそうとせず、確実に安定して乗ることを優先してください。

試験当日の持ち物と服装

  • ヘルメット(またはハット):クラブでレンタルできる場合がほとんど
  • キュロット(乗馬用ズボン):デニムは擦れて痛くなるので避ける
  • ブーツまたはチャップス:かかとのある靴が必須
  • 手袋:手綱が滑らないように。緊張で手汗をかくので当日は特に
  • プロテクター:クラブの規定に従う
  • 筆記用具:学科試験で使います
  • 申請に必要な書類:クラブから指示があれば事前に準備を

よくある質問

Q. 5級を持っていないと4級は受けられませんか?

A. 全乗振の審査内容を見ると、障害3級には「受験資格として、技能認定3級を持っていること」のように前の級の保有が受験資格として明記されている級がある一方、5級・4級・3級にはそうした受験資格の記載がありません。ただし実際にはクラブ側が「5級取得者向け」「20鞍程度の経験者向け」といった受講条件を設けていることが多くあります。まずは通う予定のクラブに確認してください。5級を同じクラブで取っていると、4級コースが割引になるところもあります。

Q. 何歳から受けられますか?

A. 4級の審査内容に年齢制限の記載はありません(エンデュランス系は「満14歳以上」と明記されていますが、ブリティッシュの5級・4級・3級にはこうした規定がありません)。ただしクラブのコースには「小学4年生以上」などの条件があります。小さなお子さんには、別枠でポニーライダー技能認定が用意されています。

Q. 合格率はどのくらいですか?

A. 公式には公表されていません。5級は「ほぼ合格する」と言われるレベル、4級も指導どおり練習を積んでいれば十分手が届く難易度とされています。ただし駈歩が入るぶん、5級よりは準備が必要です。

Q. ライセンスに有効期限はありますか?

A. 全乗振の公式サイトに有効期限や更新の記載はありません。取得した級は基本的にそのまま有効です(心配な場合は所属クラブへご確認ください)。

Q. ウエスタンの4級もありますか?

A. あります。技能認定はブリティッシュ(一般的な馬場・障害のスタイル)とウエスタンに分かれており、ウエスタンにも5級〜1級が設定されています。この記事で扱っているのはブリティッシュの4級です。

Q. 4級を取ったら競技会に出られますか?

A. 日本馬術連盟が主催・公認する競技会に出るには、日馬連の騎乗者資格(B級以上)が別途必要です。技能認定4級は競技資格ではありません。ただし、クラブ内のミニ競技会やホースショーには参加できることが多いので、まずはそこから経験を積むのがおすすめです。

その先の道:技能認定から日馬連B級へ「移行」できる

競技を目指す場合、技能認定を積み上げていくと日馬連B級への移行制度が使えます。ただし移行の対象級は令和4年(2022年)4月1日から「2級」以上ではなく「1級」のみに引き上げられました(障害・馬場)。つまり現在は障害1級または馬場1級を取得することが条件です。

手続きは、1. 日本馬術連盟の会員登録をする、2. 協会が発行する「騎乗者資格取得証明書」と、日馬連の「騎乗者資格登録申請書」を日馬連に提出する、という流れです。移行には2週間ほどかかるので、余裕を持って申請しましょう。4級の段階ではまだだいぶ先の話ですが、「どこへ続く階段を登っているのか」を知っておくとモチベーションになります。

まとめ|4級は「乗馬が趣味になる」分岐点

乗馬4級ライセンスのポイントを整理します。

  • 認定団体は公益社団法人 全国乗馬倶楽部振興協会。全国共通の基準で審査され、合格すると認定カードが発行される
  • 審査の中心は駈歩の発進・維持と回転運動(巻き乗り・半巻き・斜め手前変換)
  • 審査料は各級一律11,000円(税込)。これにクラブの申請手数料が加わる
  • 短期コースなら8〜12日間・15万〜20万円ほど、通常レッスンなら40〜100鞍が目安
  • 落馬は即失権。速さより安定して乗ることを優先する

5級は「馬に乗れた」という体験の証明でしたが、4級は「馬を動かせる」という技術の証明です。駈歩が自分の合図で出せるようになると、乗馬の楽しさは一段変わります。次の目標を探している方は、ぜひインストラクターに「4級を受けたい」と伝えてみてください。

参考にした情報

※本記事の料金・日数は2026年8月時点の公開情報です。改定される場合があるため、お申し込み前に各クラブおよび全国乗馬倶楽部振興協会の公式サイトで最新情報をご確認ください。

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