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馬場馬術B2の経路と減点ポイントを徹底解説【JEF第2課目B】

乗馬あれこれ

JEF(日本馬術連盟)が定める馬場馬術競技「第2課目B」(通称:馬場馬術B2)は、2022年11月14日に施行された比較的新しい経路です。これから出場・練習する方に向けて、経路の流れと減点されやすいポイントを、JEF公式の課目表をもとに解説します。競技会そのものが初めてという方は初めての馬術競技会出場ガイドも参考にしてください。

まずは公式解説動画で全体の流れをつかむ

文字だけでは経路の雰囲気がつかみにくいという方は、先にJEFが公開している公式解説動画を見ておくと理解が早まります。

馬場馬術B2(第2課目B)とは

馬場のサイズ・参考時間(4分)

第2課目Bは、20m×40mの馬場で行う馬場馬術競技です。参考時間は4分00秒で、入場から退場までをこの時間の目安で進めます。運動課目は全11項目で構成され、各項目10点満点(合計110点)に加えて「全体的な印象」が10点×係数2の20点で評価され、最終的な合計は130点満点です。

対象読者向け用語解説

経路図が初めての方向けに、頻出する用語を簡単に整理します。より詳しい用語は乗馬用語集もあわせてご覧ください。

  • 尋常速歩・尋常駈歩:標準的な速さ・歩幅で行う速歩・駈歩のことです
  • 中間常歩:ゆったりとしたペースで進む常歩です
  • 斜め手前変換:馬場を斜めに横切りながら、進む方向(手前)を切り替える運動です
  • 蹄跡:馬場の壁沿いに沿ったコースのことです
  • A・C・X・Kなど:馬場に配置された文字のことで、経路図上での「どの地点で」動作を行うかを示す目印です

経路図で見る第2課目B

運動課目ごとに色分け(赤=常歩、緑=速歩、青=駈歩)された、11パネル構成のわかりやすい経路図があります。以下は「その日暮らし研究者のあれこれ」様の記事より引用します。

JEF馬場馬術競技第2課目B 経路図(11パネル、常歩・速歩・駈歩を色分け)
出典:「JEF馬場馬術競技第2課目B」その日暮らし研究者のあれこれ(sportandbodyresearch.com)より引用

※経路図は上記サイトからの引用です。最新の施行内容・正式な経路は必ずJEF公式の課目表PDFもあわせてご確認ください。

経路の全体像とステップで覚える流れ

経路全体を一度に覚えようとすると混乱しやすいため、前半・後半に分けて流れをつかむのがおすすめです。

前半(入場〜常歩まで)

  1. Aから尋常速歩で入場し、Xで停止・不動・敬礼(3秒以上)
  2. 尋常速歩で発進し、Cで右手前蹄跡に入る
  3. MXKで斜め手前変換をしながら歩幅を伸ばした速歩、KAで尋常速歩に戻す
  4. ACで蛇乗り3湾曲(蹄跡に接する)
  5. CH〜HXF〜FAで中間常歩と、手綱を伸ばした常歩(軽いコンタクト)

後半(駈歩〜退場まで)

  1. Aから右尋常駈歩で発進し、続いて右へ直径20mの輪乗り(駈歩発進のコツもあわせてどうぞ)
  2. KXMで斜め手前変換しながら、K→Xは尋常駈歩のまま、X→Mで尋常速歩へ、M→Cでさらに中間常歩へと3段階で歩様を落とす
  3. Cから左尋常駈歩で発進し、続いて左へ直径20mの輪乗り
  4. HEKで歩幅を伸ばした駈歩
  5. FXHで斜め手前変換しながら、F→Xは尋常駈歩のまま、X→Hで尋常速歩へ、H→Cでさらに中間常歩へと3段階で歩様を落とす
  6. Cから尋常速歩で発進し、Bで右へ直径10mの半巻き乗り
  7. Xで中央線上に入り、Gで停止・不動・敬礼(3秒以上)後、手綱を伸ばした常歩でAより退場

このように、「速歩パート→蛇乗り→常歩パート→駈歩パート(左右の輪乗り)→半巻き乗り→退場」という大きな流れをまず頭に入れると、細かい文字の順番も覚えやすくなります。

語呂合わせで覚える「第2課目Bの合言葉」

文字の並びを丸暗記するのがつらい方向けに、こじつけ気味の合言葉を用意しました。声に出しながら経路をなぞると定着しやすくなります。特に⑥と⑨の斜め手前変換は「駈歩→速歩→常歩」と1本の対角線の中で歩様が3段階に落ちていく変化があるため、歩様も併記しています。

「あいさつしたら、みぎでけいこ、へびさん3かい、のんびりあゆんで、みぎわっか ななめきってだんだんゆっくり、ひだりわっか、のばしてかけて、ななめもういちどだんだんゆっくり、はんまきしたら、ちゅうおうでとまれ!」

合言葉

対応する運動課目

歩様

あいさつ

①A入場→X停止・敬礼

尋常速歩 → 停止

みぎでけいこ

②C→MXK斜め手前変換→KA

歩幅を伸ばした速歩 → 尋常速歩

へびさん3かい

③AC蛇乗り3湾曲

尋常速歩

のんびりあゆんで

④CH〜HXF〜FA常歩パート

中間常歩 → 手綱を伸ばした常歩(軽いコンタクト) → 中間常歩

みぎわっか

⑤A駈歩発進→右20m輪乗り→K

尋常駈歩

ななめきって、だんだんゆっくり

⑥KXM斜め手前変換(K→X→M)→MC

尋常駈歩(K→X)→ 尋常速歩(X→M)→ 中間常歩(M→C)の3段階でダウン

ひだりわっか

⑦C駈歩発進→左20m輪乗り→H

尋常駈歩

のばしてかけて

⑧HEK歩幅を伸ばした駈歩→KAF

歩幅を伸ばした駈歩 → 尋常駈歩

ななめもういちど、だんだんゆっくり

⑨FXH斜め手前変換(F→X→H)→HC

尋常駈歩(F→X)→ 尋常速歩(X→H)→ 中間常歩(H→C)の3段階でダウン

はんまきしたら

⑩C→CMB→B半巻き乗り

尋常速歩

ちゅうおうでとまれ

⑪X→G中央停止・敬礼→A退場

停止 → 手綱を伸ばした常歩(退場)

※⑥と⑨は、1本の斜め手前変換の中でK(またはF)→Xまでは駈歩、X→M(またはH)で速歩へ移行、そのままM(またはH)→Cで常歩へさらに移行、という3段階のダウントランジションです。1回の対角線移動で2回移行する、この経路の中でも難度の高いポイントです。

運動課目別・減点されやすいポイント

JEF公式の課目表には、各運動課目の「着眼点」が明記されています。ここでは特に減点につながりやすい箇所を整理します。

尋常速歩での入場・停止

入場から停止・敬礼までは、ペース(速さ)の安定と、停止時の真直性(馬がまっすぐ止まっているか)、移行の質が着眼点です。停止は3秒以上保持する必要があるため、焦って早く発進してしまうと減点対象になります。

斜め手前変換

斜め手前変換では、明確な移行と真直性、運歩(歩様)の整正が見られます。手前を変える際に馬がふらついたり、歩様が乱れたりすると評価が下がります。

輪乗り・半巻き乗り

直径20mの輪乗りでは、輪乗りの大きさと図形の正確さ、屈曲とバランスが着眼点です。直径10mの半巻き乗りも同様に、図形の大きさが規定通りかどうかが見られます。図形が楕円形になったり、大きさが規定とずれたりすると減点につながります。

蛇乗り

蛇乗り3湾曲は、図形の正確さと速歩の整正、正しい屈曲とバランスが評価対象です。3つの湾曲の大きさが不揃いになると、図形の正確さの観点で評価が下がりやすくなります。

歩幅を伸ばす際の注意(テンポとサプルネスの関係)

歩幅を伸ばした速歩・駈歩では、歩幅の伸展とバランス、真直性が着眼点です。歩幅を伸ばそうとするあまりテンポ(リズムの速さ)を上げてしまうと、馬の柔軟性(サプルネス)が損なわれ、整正さを欠いた動きに見えてしまいます。歩幅は「速さ」ではなく「大きさ」で伸ばす意識が重要です。

審査員はここを見ている(トレーニングスケールの視点)

馬場馬術の審査では、リズム(一定の拍子で動けているか)とサプルネス(力みのない柔軟な動き)が特に重視される傾向があります。第2課目Bの着眼点欄にも「整正」「明確な移行」「バランス」「真直性」という言葉が繰り返し登場しており、これらはいずれもリズムとサプルネスに関わる評価軸です。

また、全項目とは別に「全体的な印象」という総合観察項目があり、人馬コンビネーションによる調和のとれた表現、騎手の姿勢と騎座、控えめかつ効力のある扶助が評価されます。個々の運動課目だけでなく、経路全体を通した一貫性も見られている点を意識しておきましょう。

練習で意識すべきポイント(覚え方のコツ+練習メニュー)

経路を覚える際は、文字の並びを丸暗記するのではなく、「速歩パート」「蛇乗り」「常歩パート」「駈歩パート(左右の輪乗り)」「半巻き乗り」という運動のまとまりごとにブロック分けして覚えるのがおすすめです。上の「語呂合わせ」と合わせて使うと定着しやすくなります。

練習では、以下の順番で進めると効率的です。

  1. まず経路図を見ながら、口頭で流れを暗唱できるようにする
  2. 常歩で経路をなぞり、文字の位置感覚を体に覚えさせる
  3. 各運動課目(斜め手前変換・輪乗り・蛇乗り・半巻き乗り)を単独で練習し、着眼点(整正・真直性・図形の正確さ)を意識する
  4. 通し練習で参考時間(4分)内に収まるかを確認する

第2課目Aとの違い

第2課目Bは2022年11月の施行にあわせて新設された経路で、旧A2課目に代わるものとして位置づけられています。第2課目Aと比べると、速歩パートで座った状態のまま運動を進める場面が多く、常歩・速歩ともに姿勢を崩さず座り続ける意識が求められる、という声が経験者の間で挙げられています。⚠️この点についてはJEF競技会規程本体での明文規定を本記事では確認できていないため、参考情報として捉え、詳細は所属クラブの指導者や最新のJEF公式資料でご確認ください。

まとめ

第2課目Bで安定した得点を取るには、次の3ステップで準備を進めるのがおすすめです。

  1. 「経路の全体像とステップで覚える流れ」と「語呂合わせ」を参考に、運動のまとまりごとに経路を頭に入れる
  2. 「運動課目別・減点されやすいポイント」を確認しながら、斜め手前変換・輪乗り・蛇乗りなど個別の運動課目を練習する
  3. 「審査員はここを見ている」で紹介したリズムとサプルネスを意識しながら、通し練習で参考時間内に収める

経路図の原本は、JEF公式サイトで配布されている課目表PDFから確認できます。最新の施行内容は必ず公式資料でご確認ください。また、動きのイメージをつかむには冒頭の公式解説動画もあわせてご覧ください。